2015.02.16 平成27年環境・建設委員会

◯野上委員長 次に、請願の審査を行います。

 請願二六第五〇号の二を議題といたします。

 理事者の説明を求めます。



◯木村環境改善部長 それでは、お手元の資料12、請願審査説明表の表紙をおめくりください。

 整理番号1、請願番号二六第五〇号の二、東京の全ての子どもたちに行き届いた教育を進めることに関する請願につきまして説明申し上げます。

 請願者は、千代田区、ゆきとどいた教育をすすめる都民の会代表池上東湖さん外三万四千百十一人でございます。

 請願の要旨でございます。

 都において、全ての子供たちに行き届いた教育を進めるために、都立公園等の放射線量を測定し、基準値を超える場合には除染などの安全対策を行うことを求めるものでございます。

 それでは、現在の状況につきまして説明申し上げます。

 都内の空間線量につきましては、関東地方の中でも高い水準になく、放射性物質汚染対処特別措置法に基づく汚染状況重点調査地域はないなど、面的な汚染はないものと考えております。

 また、局所的な汚染につきましては、国や都の調査により、都内では比較的空間線量が高いことが示されました区部東部三区の都有施設を対象といたしまして、文部科学省ガイドラインで放射性物質がたまりやすいとされているポイントを、都は平成二十三年十一月に測定いたしましたが、ガイドラインの目安を上回る地点はなく、また、距離による減衰を確認しております。

 以上のことから、都有施設全般にわたる調査や経常的な調査は基本的に不要と考えておりまして、対応が必要なケースが生じた場合は、ガイドラインに従って適切に対応していくこととしております。

 なお、区部東部三区の都有施設の中で比較的空間線量が高かった地点につきましては、空間線量の時間的な減衰を確認するため調査を行ってきましたが、その減衰を確認できたことから、平成二十五年十一月をもちまして終了いたしました。

 説明は以上でございます。よろしくご審査のほどお願い申し上げます。



◯野上委員長 説明は終わりました。

 本件について発言を願います。



◯米倉委員 請願二六第五〇号の二、東京の全ての子どもたちに行き届いた教育を進めることに関する請願について意見を表明します。

 この請願は、子供たちが心身ともに健やかに発達、成長、そして教育と社会環境を整えていくことを求めるものです。

 そうした要望項目の一つに、都立公園などの放射線量を測定し、基準値を超える場合には除染など安全対策を行うことがあります。

 東京都は、二〇一二年二月から行ってきた東京東部地区の三つの都立公園、足立区中川公園、葛飾区水元公園、江戸川区篠崎公園の放射線量の減衰調査をおととし十一月でやめてしまいましたが、例えば葛飾区水元公園では、去年の十月二十九日、住民の測定によって、パーゴラ西側のマテバシイの木の根元地表面で一・〇一マイクロシーベルトという放射線量が測定されました。この土は、何と三万九千ベクレルもあることが明らかになっています。

 地表で毎時一マイクロシーベルトを超える放射線量は、葛飾区の基準では除染する高さです。このような高い放射線量のそばで、子供たちが遊び回っているのです。放射性物質は細胞活動が活発な子供に一番影響が及びます。

 しかし、現状では、都立公園や都立学校、都営住宅などについては、都は測定さえしていません。これでは、安全な環境で子育てしたいと求める都民の願いに沿ったものとはいえません。

 しかも二十三区では、豊島区、世田谷区、千代田区、新宿区、目黒区などでは、地表五センチで放射線量が〇・二三から〇・二五マイクロシーベルトを超える地点は除染するなど、先ほど紹介しました葛飾区よりも厳しい基準で、また国のガイドラインよりももちろん厳しい基準の独自基準で安全対策を講じています。

 東京都も、国のガイドラインに沿った対応ということに終わらせず、子供や住民を守る最大の努力をすべきと考えます。

 したがって、本請願の趣旨採択を求めまして意見とします。



◯山内委員 質問させていただきます。

 福島第一原子力発電所の事故から間もなく四年がたとうとしています。都の健康安全研究センターのホームページを見ますと、都内大気中の放射線量は事故前の水準に戻っているようですが、子供たちが心身ともに健やかに成長することを願うと、放射能が子供たちに与える影響を心配し、放射性物質がまだ残っていることに不安を覚えることは理解するものです。

 そこで、子供たちが放射能の影響を受けることなく、安心できる環境を行政が示していくために、この請願に趣旨採択の立場から、放射能汚染への都の対応について質問をいたします。

 まず、都内の放射能汚染の状況と、環境局が都立三公園で空間線量を測定した理由、その測定結果についてお伺いいたします。



◯木村環境改善部長 平成二十三年六月の福祉保健局によります都内百カ所での調査や、同年十月の文部科学省によります航空モニタリング調査の結果を見ますと、都内の空間放射線量は、関東地方の中でも高い水準になく、放射性汚染物質対処特別措置法に基づく汚染状況重点調査地域に該当する面的な汚染はございません。

 ただし、局所的な汚染が懸念されたため、平成二十三年十一月に、環境局では、都内で比較的高い空間線量が示されました足立区、葛飾区、江戸川区において、人、特に子供が集まる三公園を選定いたしまして、放射性物質がたまりやすいとされている側溝や木の根元などを測定いたしました。

 その結果、国のガイドラインにおいて除染の必要性を判断する目安としております、地上高さ一メートルで周辺より一時間当たり一マイクロシーベルト以上高い地点はございませんでした。

 また、周辺の減衰度合いを詳細に調べた結果、距離による大幅な減衰を確認いたしました。



◯山内委員 請願に関する現在の状況の説明では、都は、二〇一一年十一月に、三区の都有施設における局所的な放射線量の減衰調査を終了したとのことです。

 私たち生活者ネットワークは、子育て中のお母さんからの要望を受けて、都立公園における砂場等も測定するように求めてきました。福島原発の事故以降、都民の不安はいまだ消えていません。

 今回の請願のように、都は測定し、基準値を超える場合は除染などの安全対策をすべきと考えますが、見解を伺います。



◯木村環境改善部長 都では、放射線量の時間的減衰を把握するため、先ほどの三公園で測定したポイントのうち、比較的高い放射線量が示されました六地点について、平成二十三年十一月以降、三カ月ごとに継続的な調査を実施してまいりました。

 その調査によりますと、調査開始から二年を経ました二十五年十一月時点で、平均して四割以上の放射線量の減衰が見られました。下げどまり傾向もあることから、当初の目的を達成したため、減衰調査を終了いたしました。

 これらの測定結果は、都のホームページで公表しております。

 二十三年十一月の調査でも、都有施設全般にわたる調査や経常的な調査は基本的に不要であると判断したところでございますが、その後の調査によって時間的減衰も確認できたため、都としての新たな調査は不要と考えております。

 なお、今後、国のガイドラインの目安を上回るポイントが見つかった場合は、国のガイドラインに従って適切に対応してまいります。



◯山内委員 二〇一三年十一月までに行った調査の費用についてお伺いいたします。



◯木村環境改善部長 減衰調査は、都が購入した測定器を用いまして、都の職員がみずから測定したものでございます。

 この調査にかかった測定器の購入費用約五十万円につきましては、東京電力に求償し、賠償金として、今年度既に支払いを受けております。



◯山内委員 今のご答弁によりますと、調査の費用というのはほとんどかかっていないということだったと思うんですが、都立公園は子供にとって安心・安全な遊び場でなければなりません。

 生活者ネットワークは、福島原発事故以降、子供たちの健康を守るため、都立公園の砂場など、先ほども申し上げましたが、子供が利用する施設周辺の放射線量測定を行い、測定結果を速やかに公表することや、市民や自治体が行う放射量測定の結果を尊重し、高い数値が出た場合には、都としても速やかに対応することを求めてまいりました。

 現在、都立公園では、市民グループやNPOが子供たちを遊ばせる遊び場に加え、園庭のない保育所などの遊び場として利用も多くなっております。その方たちの中には、自主的に空間線量や土壌、その他の測定を行って、安全性を確認しながら遊び環境をつくっている方たちもいらっしゃいます。

 測定器を無駄に眠らせないためにも、都は、定期的な測定を市民やNPOと連携して行うことにより、子供の安心・安全に応えていくことを要望いたしまして、私の質問を終わります。



◯野上委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。

 本件は、起立により採決いたします。

 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。

   〔賛成者起立〕



◯野上委員長 起立少数と認めます。よって、請願二六第五〇号の二は不採択と決定いたしました。

 請願の審査を終わります。

 以上で環境局関係を終わります。

 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。

   午後三時十一分散会